ネットカフェkara-s３０３号室―――
その部屋は誰も足を踏み入れようとしない
呪いの部屋―――

それは数日ほど前。
ネットカフェkara-sには就職活動のための情報収集をしに麻由子という女が頻繁に通っていた。
彼女は心臓に病を抱えていたが真面目に就職活動に取り組んでいた。
しかし、そのネットカフェに通う本当の目的は元恋人の店長だった。 店長が何度やめてくれと言っても、彼女は店長がよく見える３０３号室からいつも店長をうっとりと眺めていた。
耐えかねた店長はある日ついに激怒し、彼女に出て行けと訴えた。

しかし麻由子はそれに逆上し狂ったように叫んだ。 暴れ回り、手のつけられない状態にまでなると、突然の発作が彼女を襲う。
もがき苦しみながらバッグに入れてある薬を取ろうとすると,その薬を店長はとっさに奪い取り部屋の外に投げつけた。

「くすり、カエシテ・・・」

そう言って息絶えた麻由子を店長は３０３号室の床下に隠し、その部屋には誰も立ち入れぬようにした。
数日後、店長はネットカフェkara-sで不可解な死を遂げる。その遺体の首には、両手で強く締められたような跡がくっきりと残っていたという。

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